陸上自衛隊

ゲリラ戦に果敢に挑んだ攻撃ヘリ「AH-1 COBRA」、パイロット、射撃手の腕はAIの能力を上回る!

ゲリラ戦に果敢に挑んだ攻撃ヘリ「AH-1 COBRA」、パイロット、射撃手の腕はAIの能力を上回る!

ゲリラ戦に果敢に挑んだ攻撃ヘリ

武装した輸送用ヘリコプター(武装ヘリ)が登場したのは、ベトナム戦争最中である。

それは歩兵の機動力を上げ、対ゲリラ戦での兵力不足を補うためだった。

続いて、輸送ヘリの損害を防ぐため攻撃ヘリ「AH-1 コブラ」が考案され、固定翼機にはできない細かい地上戦闘支援を行うようになっていった。

※輸送ヘリを武装した「武装ヘリ」と専用に設計された「攻撃ヘリ」をこの記事では分類して使う。一般的な言葉の使い方としては両者とも「武装ヘリ」としてよいが、成り立ちのいきさつや概念の違いを考慮して分けることとした。

今回は、元航空機製造会社に勤め、現在軍事コラムを執筆している

『真田幸村(あだ名)』さんにお聴きしました。

AH-1 コブラ「攻撃ヘリコプター」は時代遅れか?

パイロット、射撃手の技量が高い、コブラの重要性とは?

相変わらず、面白い内容です!

是非、最後までお楽しみください。

自衛隊応援部隊凛護隊です

【「AH-1 コブラ」は、欧州の「自由と民主主義を守る」役割を背負った】

攻撃ヘリ「AH-1 コブラ」はTWO対戦車ミサイルを装備して、米ソ冷戦時代ヨーロッパ戦線で核戦争に拡大しかねないNATO軍の劣勢を補うために、大量のワルシャワ条約機構軍「戦車」を迎え撃つことが重要な使命となっていた。

「自由と民主主義を守る」役割であった。

そして現在、攻撃ヘリは戦車を中心とする機械化部隊を有効に阻止する装備であり続けている。

また、ドローン兵器にはできない、きめ細かい支援を地上軍に対してできることから、パイロット(操縦士)・ガンナー(射撃手)の高度な技術を前提に、ゲリラ戦でも大変有効な武器として認識されている。

現在では、ロングボウ・レーダー装備などで、地形を利用したヘリコプターならではのホバリングを含めた飛行で、固定翼機による爆撃よりも有効に地上軍の援護が出来るとされている。

また攻撃ヘリは、最高スピードを除き、空中性能でゼロ戦より高性能とみられるので、サイドワインダーミサイル、固定武装機関砲などで、近接防空任務までこなすことができる。

場面によっては、陸軍や海兵隊に対して、F35Bよりもきめ細かく実戦に即した支援が出来ると思われる。

世界情勢の動きから、核兵器の使用がためらわれる地域紛争での役割が大変大きくなっているのが「攻撃ヘリ」であると言えよう。

その基礎を「AH-1 コブラ」が作り上げたとみられる。

【世界初の攻撃ヘリコプター「AH-1 コブラ」】

UH-1に機関銃を取り付け、両サイドにロケット弾ランチャーなどをとり付けた機体が造られた。

これを「武装ヘリ」と呼んでいた。

しかし、ヘリは飛行速度が遅く低空を飛ぶため、小銃でも容易に狙撃することが出来た。

それでも防弾もなく損害も大きいことから、「攻撃ヘリ」が造られていく。

初期の「AH-1 コブラ」は、UH-1をタンダム複座として、胴体幅を1/3程度まで落として少しでも被弾可能面積を減らし、最高スピードを上げたのが特徴だ。防弾鋼板、防弾風防などによって、射撃手(前席)、操縦手(後席)を防御している。

射撃手(ガンナー)からの前方の視界は良好で、前方だけでなく左右に対しても、機首に搭載されたガトリングガンで射撃することが出来た。

当初、ミニガン7.62mm毎分400発にグレネードランチャー(手榴弾程度の弾丸)が固定武装として機首に取り付けられていた。

このほかに、小翼(スタブウイング)を胴体両横に取り付け、ロケット弾、通常爆弾、そしてその後、ヨーロッパ戦線で戦略的に意味を持つ対戦車ミサイルを装備することが出来た。

武装の交換やアップグレードが容易なため、その後、多くの派生型を生むこととなるが、現在でも攻撃ヘリコプターの原型は「AH-1 コブラ」により確立された形式を継承している。

現代のAH-64E アパッチ・ガーディアンのように、無人機とリンクするなどして火器管制装置の更新が続き、今後、ガンナーの能力を劇的に拡大できるAIによる火器管制が行われていくのであろう。

また、攻撃ヘリそのものも、AIによる自動操縦で無人化するものと見られている。

AIは、対・ヒトに、どんな射撃判断をするのかな?

【日本陸上自衛隊のAH-1ヒューイコブラ】

日本の自衛隊も、当然に攻撃ヘリを活用することを考えた。そしてAH-1を導入している。

しかし、攻撃ヘリの任務は陸上戦闘に則してきめ細かい作戦が多く、パイロットの技量もさることながら、ガンナー(射撃手)の技量には名手であることが要求されている。

ゲリラ戦での問題は、敵味方も判別しにくいことはもちろん、民間人とゲリラ兵士の見分けも付きにくいことだ。

もし見分けがついても、隣接するゲリラ兵だけ狙撃しなければならないことが多く起こり、警察の武装ヘリなどでも要求されている、犯人と人質を判別した射撃が陸軍部隊に隣接した作戦では強く要求される。

そのため信じられないことだが、20mmガトリング砲でも人質を抑え込んでいる犯人を狙撃できる精度が必要なのだ。移動する攻撃ヘリのガットリング砲を使いこなすには、「名手」と言われるガンナーが必須と言えるのだ。

自衛隊はAH-1を導入しているが、後継機(AH-64DJPは13機で終了してしまった)導入が遅れており、地上部隊の機動力を保つことは兵力を保つ意味で非常に重要である。「いずも」「かが」などのヘリコプター空母においても、「攻撃ヘリ」は重要正面装備との認識が必要である。

【「攻撃ヘリコプター」は時代遅れか? 「AIの殺人」は許されない!】

人類から争いごとを無くすことは、実際のところありえないのであろう。

だから、人類自身が滅亡してしまう愚かな行為に至らせないため、戦力の均衡が必要だ。現在の安定した世界社会を作り上げてきたのは、核兵器、通常兵器とも、そのバランスが取れているからだろう。

その意味で、現実的に平和を維持する力としては攻撃ヘリコプター「AH-1 コブラ」の役割は重かった。

また、その後継機たちの役割も大変重いと言わざるを得ない。

現在、AIによる自動操縦のドローンやヘリコプター、さらには大型有人機B21爆撃機計画では、無人自動操縦に切り替えることが出来るようになるようだ。

領空侵犯機の迎撃でも、早期警戒機を伴うデータリンクによって地上からの迎撃ミサイルで十分であるとも言える。

現在のドローンの搭載量は微量であるが、大型化すればよいだけで、偵察、攻撃任務をドローンが替わることは当然と言える。

問題は、遠隔地から武器使用を決断する時、タイムラグがあって実用にならない場面が多くあることだ。

つまり、人間が判断するのではなく、「AIに殺人の許可を与えるべきか否か?」の判断が必要となるのだが、これを避けて「武器使用の判断」だけを付近にいるデータリンクされた攻撃ヘリのガンナーにさせることが、現実的回答であろう。